このあたりから樹林が減り、笹原が多くなります。
尾根道からは雄大な丹沢山系が、眼下には相模平野が展望できる素晴
らしいコースですが、何しろ急登に次ぐ急登、感慨にひたる余裕もあり
ません。
急登にあえぎながら、尾根の木の間がくれに阿夫利神社で有名な大山
から二の塔・三の塔・塔の岳に続く丹沢表尾根のけわしく荒々しい山肌
が垣間見えます。
展望抜群の花立山荘前の広場で昼食。
ここまで、ガイドブックのコース・タイムを15分短縮できました。
出発が遅かったため人影は少なく、途中追い抜いたのは単独行の男性
と、私と同年輩の夫婦連れだけでした。
塔の岳到着は13時45分、頂上は多くの人で賑わっ
ていましたが、先を急ぐ私は小屋には入らず小休
止の後出発、この頃には富士山は雲の中でした。
急登、急降下を繰り返しいくつかのピークを過ぎ
ました。
10日に訪れた伊吹山が花にあふれていたことに比べれば、ここは花が
少なく、目的地の蛭ヶ岳までに見た花は、丹沢の名物白い5葉のシロヤ
シオツツジ、バイケイソウの葉っぱの緑くらい。
道は笹原がほとんどで、遠くから見れば黄色のなだらかな斜面に見え
ますが、登ってみるとそのアップ・ダウンはきびしく、木の階段がその
中をうねるように続くのです。
丹沢山には15時ちょうどに到着、標高1,567mで日本百名山の一座です。
ここから小屋のある蛭ヶ岳まで約2時間。
明るいうちにたどり着ける目途がついたので、少し長めの休憩を取り
ました。
ふたたび歩きはじめてふり返る丹沢山は、その山容からあまり上品な
山とは思えませんでした。
さて、最後の2時間のアップ・ダウンも苛酷です。
樹林帯、やせ尾根、笹原、木の階段が続きます。
笹原のむこうに見える不動の峰、それを越えると棚沢の頭、そして鬼
が岩、この下りはクサリ場です。
なるべくクサリと杭には頼らず下っていく途中、ピンク色のコザクラ
ソウが点在しているのを見つけました。
このころからガスが発生、山すそから風に乗って斜面をはいのぼって
きます。
寒い!!!!!。
最後の急登を喘ぎながら登り、16時45分蛭ヶ岳山荘に到着しました。

バイケイソウ コイワザクラ シロヤシオ 蛭ヶ岳
頂上は展望雄大、富士山を始め、南アルプスが見えるとガイドブック
は言いますがすべて霧の中、何にも見えません。
山荘のすぐそばに小さな祠が祭ってありました。
歩行距離13km、標高差1400m、歩行時間6時間15分。
ガイドブックの標準時間を15分短縮できたに過ぎませんでしたが、私
にとっては有意義な山旅でした。
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二日目(16日)
蛭ヶ岳山荘を6時に出発。
同宿の人たちは丹沢山系の最深部、桧洞丸に向かって早朝に出発しま
した、たった一人青根に下る私は、5メートル先も見えないガスの中へ。
今日は下りがほとんどののんびり旅です。
それでも歩き始めると昨日の疲れが残っていて、急な下りや登り返し
には棒のようになった足がうまく反応してくれません。
ガスは少しずつ晴れ、ブナ林やカラマツ林が続くと標識は知らせてく
れますが、ブナは確認できてもカラマツはよくわかりません。
秋の黄葉期にははっきりするのでしょうが・・・・・。
このあたりシロヤシオツツジが咲き始めています。
小屋の管理人は「1週間前はマメザクラとヤマザクラが満開、シロヤ
シオは来週ぐらいが満開でしょう」と話していました。
東海自然歩道の最高地点、姫次には予定より10分遅れて7時40分に着
きました。
ここから八丁坂の頭までは、文字通り東海自然歩道らしい快適な下り
です。
途中、ピンクのトウゴクミツバツツジをひとつだけ見つけました。

霧のブナ林 姫次 トウゴクミツバツツジ
青根に下る分かれ道のベンチで、行動食として仕入れた大福もちを食
べましたが、なかなかの味でした。
ここから上青根の林道までが急な下りです。
これで?と疑問符が出そうですが、これも東海自然歩道だそうです。
左足の甲の上部に靴ずれができたと言えばその急さが理解いただける
でしょうか。
花はヒトリシズカ、フタリシズカ、ともにまだつぼみです。
下山路に群生しているところが数多く見られました。
二つの花の違いは葉の間から伸びる花が1本か2本かの違いらしいの
ですが、中には3本あるものあり、素人の私には何がなんだかわかりま
せんでしたが、葉っぱにすこし違いがあったように思います。
そんなこんなを繰り返し、上青根の集落に着いたのが10時30分。

ヒトリシズカ フタリシズカ ゴール間近・上青根
食料品店で買って飲んだビールのおいしさはたとえようもありません
でした。
しかし、バスは夕方までありません。
食料品店の奥さんと交渉、主に中央線の藤野駅までマイカーで送って
もらい、娘宅に午後3時着、念願の丹沢の山旅は終わりました。
今日の歩行距離は10km。歩行時間4時間30分。
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以下は蛇足です。
その1
話好きの食料品店の奥さんの話。
「戦後まもなく、失恋で傷心の京都の女性が蛭ヶ岳山荘に住み着き、
小屋の管理人になった。
地元の登山家が蛭ヶ岳に登山を重ねるうち、やがて二人は恋に落ち、
結ばれ、二人で蛭ヶ岳山荘の管理人になったが、近年、年老いたため
管理を他の人に託し、山を降り、今は平穏に暮らしておられる。」
とのこと、旅の疲れを癒してくれる心温まる話でした。
その2
17日帰宅して開いた新聞に丹沢山山行の記録があり、それによると丹
沢山の山小屋が新築らしく、そちらに泊まったほうがよかったのかも…
と思いましたがあとのまつり。
以上
